『なまえの国』 その国に到着すると、誰もかれもが地面に鼻の先がくっつくんじゃないかというほど顔を近づけて、必死に何かを探している。セタは不思議に思った。あれはいったいどういうことだろう。だって、地面にはなんにも落ちてやしないじゃないか。 「…
【ゆらぎの国】 その国では、すべてがバランスを保っている。ひとつの動きが、他の動きに影響を与え、ひとつの思想が、他の思想に影響を与え、最終的に丸く収まるように調整されている。 「われわれの国ではね」 国民の一人が、セタに説明して言った。彼らは…
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